慢性疾患の患者を担当する看護師

慢性疾患の中でも、よく耳にする高血圧や糖尿病は、治るまでに長い月日を必要とします。また、人によっては満足の行く結果にならなかったりと、治療結果に納得のいかない場合もあります。
そうした中、総合病院やクリニックにおいて看護師が慢性疾患を抱える患者に適切に対応するには、点滴や健康相談などの看護業務に直接かかわることだけでなく、基本的なメンタルケアについて理解を深めることが大切です。特に、高齢の患者は、他の年代と比べると治療が上手くいかないことについて不安やいらだちを感じたり、途中で治療を諦めてしまったりする傾向があるため、常に個々の患者の立場になって看護を実践する必要があります。

慢性疾患の患者の治療に力を入れている医療機関においては、医療の質の確保や患者のQOLの向上を目的として、院内の病棟や外来で働く看護師が無理なくメンタルケアについて学べるよう様々な取り組みを行っています。
たとえば、業務の合間に心理カウンセラーや臨床心理士による研修を実施したり、日頃から看護師長や主任看護師が若手の相談に乗ったりしているところが多くあり、看護業務の経験が少ない人も悩まずに仕事を続けられるようになっています。
なお、医療機関や自治体などが主催する医療従事者向けのメンタルケアに関するセミナーも全国各地で開催されています。そこで、職場の研修だけでは十分な学習ができない場合は、休日を利用して評判が良いセミナーに顔を出している看護師もいるようです。